正五角形の作図法
正五角形の一辺の長さ
ここでは、半径1の円に内接する正五角形の一辺の長さを計算して、正五角形の作図方法を説明します。正五角形の内角は2π/5ラジアン(72°)であることから、 まず最初にa=cos(2π/5)を使って一辺の長さを計算します。
右の図に従って3平方の定理を2回利用すると、正五角形の一辺の長さは √(1−a)2+(√1−a2)2=√1−2a+a2+1−a2=√2−2a となることが導かれます。
cos(2π/5)の計算
次にcos(2π/5)の値を求めます。複素数 ζ5=cos(2π/5)+isin(2π/5)は5乗すると1になることから、 f(X)=X5−1=0 の解となります。f(X)=(X−1)(X4+X3+X2+X+1)=0であり、ζ5≠1であることから、 ζ45+ζ35+ζ25+ζ5+1=0が導かれます。 いま、ζ45=cos(8π/5)+isin(8π/5)=cos(2π/5)–isin(2π/5)が成り立つことから、 ζ5+ζ45=2cos(2π/5) が導かれます。ξ=ζ5+ζ45, ξ′=ζ25+ζ35と置くと、 ξ+ξ′=(ζ5+ζ45)+(ζ25+ζ35)=ζ45+ζ35+ζ25+ζ5=−1ξξ′=(ζ5+ζ45)(ζ25+ζ35)=ζ35+ζ45+ζ65+ζ75=ζ45+ζ35+ζ25+ζ5=−1 となります。
二次方程式の解と係数の関係から、ξ,ξ′は二次方程式 g(x)=x2+x–1=0 の解となります。 従って、二次方程式の解の公式とξ=2cos(2π/5)>0が成り立つことより ξ=−1+√52 が導かれます。以上の計算から、半径1の円に内接する正五角形の一辺の長さはξ2+ξ−1=0に注意すると √2−2a=√2−ξ=√1+(1−ξ)=√1+ξ2 となります。作図をするためにはこの計算で十分ですが、数値を具体的に求めると √1+ξ2=√4+(6−2√5)4=√10−2√52 となります。
正五角形の作図法
以上の計算をもとに、正五角形を次の通りに作図できます。以下は、正五角形の作図の解説用ビデオです。
※2016年2月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。