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Let's enjoy Mathematics

この文章を書いたのは?

大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科 准教授

鎌野 健

「□□×数学ワークショップ」のご紹介

大阪工業大学で数学を教えている鎌野健と申します。子どもから大人まで、誰でも参加できる「□□×数学ワークショップ」というイベントを運営しています。この「□□」の部分には毎回何かのワードを入れ、その分野と数学の関係について楽しく学んでいます。ここではこのワークショップの紹介をさせて下さい。

私が所属しているのは大学の工学系学部です。数学の授業はありますが、どうしても工学で出てくる計算問題を効率よく解いていくというような内容になってしまいます(当然これはこれで大事です)。でも違う、そうじゃない。数学ってもっと楽しいんだよ! そんな想いから、数学を専門としなくても数学をもっと楽しめるような企画を立ち上げることにしました。とはいえ、ふわっとした動機のため何から始めたらよいか全くわかりません。友人の数学者でデザインの仕事もされている新庄玲子さん(国士舘大学)に相談すると、第1回として「デザイン×数学」の講師役を引き受けてくれることになりました。

それからコンセプトを練り進め、

・さまざまな分野と数学の関係(□□×数学)について楽しく学ぶ
・対象は中高生から一般まで。数式が出てくることはあるが、数学の専門的な知識は不要
・手を動かす作業を入れるなど、ワークショップ形式にする

とすることにし、2024年3月に第1回のワークショップを開催することができました。

その後も「スポーツ×数学」「アート・パズル×数学」「折り紙×数学」など、意外な組み合わせの面白いテーマで、これまで5回開催してきました。近年発表された学術論文の内容など深いものも織り混ぜつつ、でも基本的には皆で折り紙を折ったりするなど楽しい雰囲気で行なっています。公式サイトに開催報告を載せていますのでこちらもぜひご覧下さい。

ワークショップ中は私も聴衆の一人になりますが、どの回にも必ず「なるほど」と思う瞬間がありとても刺激になります。そもそも講師の方は、何かのテーマを極めようという人たちですから、話を聞いていて面白くないわけがありません。とても贅沢な時間になっています。また対象は中高生からとしていますが、実際には小学1年生(!)の参加もありました。終了後のアンケートでは楽しかったという意見も多く、少しでも学びのきっかけになってくれていたら嬉しいです。

まだ始まって間もないワークショップですが、これからも細く長く続けていけたらと思っています。興味のある回がありましたらどなたでもぜひご参加下さい。

ところで皆さん、ワークショップ名の「□□×数学」の部分って何と読みましたか? 「シカクシカクかける数学」?
それとも「なになにクロス数学」? 実は立ち上げの時にワークショップ名をどうしようかいろいろ悩み、「〇〇×数学」だとマルバツみたいに見えてしまうということで「□□×数学」にしたのです。しかしいざ講師依頼などをするときに、運営者でも呼び方がわからない(笑)。何か愛称のようなものがあるとよいのですが。どなたか決めてくれませんか?

□×数学ワークショップ 公式サイト
https://sites.google.com/view/oitxmathworkshop

※2025年8月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

著者略歴

大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科 准教授
鎌野 健
専門は多重ゼータ値やベルヌーイ数にまつわる数論。ヘアドネーションをするために、最近髪を伸ばしています。好きなお菓子はチョコリエール。

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