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この文章を書いたのは?

慶應義塾大学 理工学部 数理科学科3年 統計学専攻

小野 あかり

全国に広がる科学の輪,数理の翼セミナー

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私が数理の翼夏季セミナーに参加したのは、高校2年生の時です。『大学への数学』という高校生向けの数学雑誌でセミナーの存在を知り、数学や理科に興味のある人たちに会ってみたいと思ったのが、応募のきっかけでした。

数理の翼セミナーとは、NPO法人『数理の翼』が毎年開催している、数理科学が好きな高校生向けのセミナー合宿です。夏季・冬季セミナーの他に、福岡県で行われる「大川セミナー」もあります。女子の参加率も高く、私が参加した回は半数近くが女子でした。大学の先生や研究者の方々の講義を聞いたり、参加者の高校生が発表をしたり、実験をしたりと、盛りだくさんの毎日です。私が参加した回では、数学だけでなく物理学や化学、生物学、経済学の先生に、ご専門の内容について講義をしていただきました。講義の内容は正直当時の私には難しく、分からないことの方が圧倒的に多かったと思います。特に、数学の講義は私にとって大きなショックでした。作用素環論の講義で、公式を使って計算したり「定石」に従って証明したり、という高校生の数学とは全く異なるものでした。全く分からないながらも、論理的で抽象的な数学の世界に魅力を感じました。04_36_02

また、毎晩の「夜ゼミ」もとても楽しい思い出です。夜ゼミとは、広間に高校生や運営スタッフ、TA(Teaching Assistant)の大学生が集まり、興味のある事について話し合う会です。高校生が教えてもらうだけでなく、高校生が自分の研究について話し、大学院生や研究者の方が真剣に質問することもありました。

セミナーで新しい事を勉強できたことはもちろんですが、何より数学や理科が大好きな友達が全国にできたことが嬉しかったです。年齢が近いのに自分の何倍もすごい仲間と出会ったことは、大きな刺激になりました。

数学や理科が好きで、自分の知らない世界にわくわくするような人なら、きっと誰でも楽しめるセミナーだと思います。初めから知識をたくさん持っている必要はありません。数学や理科の楽しみを深めたい、共有したい、という気持ちを持って参加してみてはいかがでしょうか。

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※2016年3月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

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