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この文章を書いたのは?

荻野 有葵

奈良女の数学川柳

奈良女子大学大学院数学専攻での日常について紹介したいと思います。
大学院修士課程(博士前期課程)は2年あり、自分の専門分野を決め、配属しているゼミの先生のもとでセミナー形式の少人数体制で勉強します。その他、専門分野以外にも各分野の先生方の講義の中から興味のあるものを選んで受講します。受講することにより、知識の幅を広げることができます。2年間で修士論文作成を行います。

奈良女子大学の数学専攻は平成30年現在、M1が11人,M2が10人の計21人います。 数学専攻の先生方は14人で,学生に対して先生方の人数が多いので授業やセミナーなどでの疑問点も気軽に相談できる環境が整っており、学生と先生間の距離が近いことも奈良女の数学専攻の特色であると思います。

節目には数学専攻の学生、先生方で数々のイベントを行っています。平成30年は、春に学内のテラスでBBQ、また山之辺の道を含め全長27㎞のコースを一日かけて歩きました。夏の入りには、室内で流しそうめんパーティーをしました。ペットボトルを知り合いからかき集めて流し台を作るという初の試みで上手くいくのか不安でしたが、幾多の角度調節、水量調節によりベストな位置を見つけ、終始楽しむことができました。七夕には、院生費で笹、短冊を購入して外に飾り、学生や先生方の願い事でいっぱいになりました。このあたりから勉強のウエイトをあげていく人が多くて、秋口は予定が合わず、年度の最終イベントであるクリスマス会と忘年会で平成30年度のイベントは終了しました。イベントを通じて楽しむことはもちろん、普段一緒にいる仲間たちの知りえない素顔が垣間見られることもあり、普段は基本的には机に向かって紙とにらめっこしている私たちにとっては良いリフレッシュになっていると思います。今後もこのようなイベントの企画が、ぜひ続けていけるのなら続いてほしいと思っています。

上記の季節のイベントだけでなく、日常の修士の学生生活の中でも色々な企画を行っています。少し前には、俳句でいう季語の代わりに数学で扱う言葉を使って 「数学川柳を考えて、学生同士で送りあったりしていました。他人の書いた川柳の意味を推測したり、理解して共感することで、あまり意味もわからず使っていた言葉がスッと頭に入ってきたり、逆に当たり前のように使っていた言葉なのに‘’どういう意味だっけ?‘’と思い、何年も前の書籍に手を伸ばすこともたくさんありました。数学川柳が、数学の言葉や定理などをもう一度見直すきっかけをくれたように思います。また、サイエンスオープンラボという学園祭期間におこなわれる児童・学生向けのイベントでもコーナーを作っていただき、披露する場も得ました。学園祭に来校された方々にも好評だったようで数学川柳の秘めたポテンシャルに脱帽しました。6月くらいからはみんなが大学に来なくなることもありそれを防ぐために1日1枚写真を撮るという「思い出はダイアリー」という日々イベントを強行したりとアイデアが浮かぶと即実践した2年でした。このような感じで、奈良女の数学専攻の修士の学生生活は、数学を勉強しつつ、楽しみながら学生生活を満喫しています。 

 

※2019年5月掲載。著者の荻野氏は2019年3月に卒業、この記事は在学中に執筆、情報は現在では異なります。

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