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男女共同参画
参画ロールモデル集
(JST)

column コラム

この文章を書いたのは?

東京大学男女共同参画室 女性研究者支援相談室

山口 喜志子

数理女子にオススメする未来

02_11_02研究者という職業は、とてもやりがいがあって社会に必要とされているにも関わらず、女性が少ない状況にあります。より多くの人に研究に関わって欲しいという社会の願いより、近年では大学や企業などで女性の研究者を増やすための取組が盛んに行われています。そのような活動もあって、この20年ほどで女性研究者数は約3倍近く増えており、最新のデータでは、研究者総数の14.7%の13万6200人を占めているそうです[i]。随分と増えてきましたが、先進国諸国では研究者の3割以上が女性で、高等教育での男女差が少ない発展途上国では5割を超える国も存在します。この様な状況と比較して、日本ではまだまだより多くの女性に研究者を目指してほしいと考えられているので、これからも女性が研究しやすい環境が整備されていくでしょう。

とは言っても若い皆さまは、研究者と呼ばれる女性に出会う機会が少なくて、自分が目指す職としてはイメージしにくいかもしれません。漠然としたイメージをもとに研究者という選択肢を無意識に自分の人生設計から外してしまう前に、沢山の様々な研究者に出会って欲しいと思っています。自分の好きなテーマと一生懸命向き合って、他の研究者仲間と力を合わせて世の中の不思議を究明したり、様々な製品を開発したりして行くことは、社会をより良くするために多大な貢献をするだけでなく、とてもワクワクとする、楽しくてやりがいのある仕事だと思います。

02_11_01研究者に出会うためのお手軽な方法としましては、科学技術イノベーションを創出するための国の組織である科学技術振興機構(以下、JST)や各大学において、研究や教育に携わるロールモデルを紹介しています[ii]。そこには、単に自分の専門のことだけで無く、どうしてその専門を選んだのか、家庭(私生活)とのバランスをどのように調整しているかも紹介されています。『女性研究者ロールモデル』で検索すると、本当に多くの女性が研究者として活躍している情報を入手できます。

皆さまに研究者や研究を身近に知ることができる機会も、JST等が支援して、各大学の男女共同参画室や女性研究者支援室がイベントを実施しています。例えば、『女子中高生の理系進路選択支援プログラム』という事業支援を受けて、各大学研究所などで皆さまが参加できるイベントが全国で行われています[iii]。 私の所属する男女共同参画室でも、毎年『家族でナットク!理系最前線』という企画が理系各分野で開催されており、沢山の女子中高生や保護者先生の方がいらしています。このような企画は、どれも参加者の満足度が高く、いろいろな刺激を受ける機会となりますので、一度は行ってみることをお薦めします[iv]

実際に大学・大学院と進み、研究者としてキャリアアップしていく期間は短くありませんし、目指す将来像も多様で、自分次第でいろいろな進み方を考えることができます。そのため研究を続けながら、妊娠・出産・子育てについては、他職種よりも、当然と両立する前提で組み立てることになるでしょう。今は、私生活とのバランスをとることが自然に意識される時代となっていますから、多くの大学や研究所に、事業所内保育所といった保育園が設置されるようになりました[v]。研究者は、研究の進捗状況次第によっては大変忙しい職種の一つですが、その多くが固定した時間や場所に縛られない裁量労働制という働き方をするので、自分次第でその時の状況に合わせたワークライフバランスをとることができます。もともと数理系の研究は、場所を選ばず仕事ができるので、環境や状況のハンディをあまり受けることも無く、キャリアを継続しやすい分野です。時代により要求されるスキルが変わっていっても、数理の能力は様々な分野で活用できるので、「数学大好き!」という方には、「研究者!いかがです?とってもお得な将来がありますよ!」と大いにお薦めしたいと思っています。

 

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参考:

  1. 総務省平成27年12月15日報道資料「平成27年科学技術研究調査結果」
    内閣府男女共同参画局男女共同参画白書平成27年版Ⅰ第6章第2節Ⅰ-6-8図「女性研究者数及び研究者に占める女性割合の推移」
  2. 科学技術振興機構(JST)ロールモデル集『理系女性のきらめく未来』
  3. 科学技術振興機構(JST)「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」
  4. 東京大学男女共同参画室「家族でナットク!理系最前線(女子中高生の理系進路選択支援プログラム採択事業)」
  5. 東京大学男保育園運営委員会「東京大学キャンパス内7保育園体制図」

※2016年3月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

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