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Profession

数学と財務専門官

column コラム

この文章を書いたのは?

関東財務局 財務専門官 

松尾 真伊

確率論でつかんだ「憧れの仕事」

私は高校3年生の時に数学科に進学しようと決めました。きっかけは数学の先生がおっしゃった『数学は様々な学問の基礎になっている』というお言葉でした。この言葉を聞いて、もっと深いところまで専門的に数学を学びたいと思いました。

大学の授業ではなかなか理解出来ずに先生方に助けていただくことも多々ありましたが、大好きな数学を学べる授業はとても楽しいものでした。ゼミは授業の中でも一番興味のあった確率論を選択しました。その時は漠然と銀行や保険会社に就職するつもりでいましたが、大学3年生の時に東日本大震災のボランティアに参加させていただく機会があり、その活動を通じて復興に際して税金がどのように使われているのかに興味を持ち、税金を再分配する仕事に就きたいと考えました。

そこで、公務員を目指すことに決めたのですが、私が受験した公務員試験の受験生にはほとんど数学科出身者がおらず、数学科出身であることをどのようにアピールするか迷いました。ゼミの先生と相談した結果、国債の変動を株価の変動と同じように確率論を用いて予測出来ないかということを研究テーマにして、面接に備えることにしました。本番は研究テーマを元に、数学が実生活において如何に有用な学問であるかを伝えることに重点を置いて臨みました。

結果は先生方のお力添えのおかげで、何とか内定をいただき、今は憧れの職場で働いております。私は決して数学が得意というわけではありませんでしたが、“好きこそ物の上手なれ”の精神で数学科に進学し、楽しんで学べたからこそ面接でも胸を張って話せました。

今の配属先は直接数学を使う機会はありませんが、いつの日か大学で学んだ数学を活かして社会に貢献したいと思います。

※2016年4月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

著者略歴

関東財務局 財務専門官 
松尾 真伊
奈良女子大学 理学部 数学科卒業
奈良女子大学 人間文化研究科 博士前期課程 数学専攻 進学

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