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秀明大学

矢島 奈月

数理女子ワークショップ2022「あなたも数学者!~ひもで数学!? ひもでアート~」を開催しました!

秋も終わり、冬に差し掛かってきた11月20日、数理女子ワークショップ2022「あなたも数学者!~ひもで数学?!ひもでアート~」を数理女子ワークショップ実行委員会主催(steAm, inc.・加賀市共催)で開催しました。
今回は子どもと保護者の教室を分けて同じ内容を行うワークショップを開催しました。前半のワークショップでは性別を問わず募集し、後半のワークショップは、原則女の子とお母さんを対象としました。前半は18組、後半は19組の児童とそのご家族が参加してくださいました。加えて、講師4名を筆頭に、数学を楽しんで研究し、子どもたちに数学の面白さを知ってほしいと願う専門アドバイザーなど年齢や住むところの違う多くの人が集まりました。

ワークショップが始まって、まずは講師の自己紹介。その後、子どもと保護者の教室を分け、アドバイザーと各グループ内で自己紹介をしました。参加者の皆さんと楽しくお話をしながら仲を深めました。
1つ目のワークは「十字メビウス」です。一人一人ワークシートに予想を書きハサミで切っていくと、2つのハートに分かれる人と、2つのハートが繋がる人がいました。同じことをしているのになぜだろう、、、と皆で考えていると「ねじる向きが違う!!」という意見が出ました。
教えられるワークではなく自分たちで考えながら進めるワークは参加者の皆さんとても楽しそうでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単なワークを終え、「身近な結び目にはどんなものがあるでしょう?」と聞くと、「靴ひも!」「リボン!」「ネクタイ!」と多くの意見が出ました。その中でもネクタイについて話を深めました。「ネクタイには何通りの結び方があるでしょう。」と聞くと「10通り?」「50通りぐらいあるんじゃないかな。」と様々な予想が出ました。ネクタイには85通りの結び方があると伝えると皆さん驚いていました。
その後、マジックとして交差された手錠をさらっと解くものを見せると皆さん興味津々でした。自分たちで実際にやってみると思った以上に難しかったのか、真剣な顔でペアと手錠を解こうと頑張っていました。ひもを潜り抜けたり、自分が一回転したりしながら友人との仲を深める姿も見られとても素敵な雰囲気でした。中には2人が手錠をして、2人が指示を出しながら解こうとしているテーブルもありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
「結び目」と聞き、余り想像できていない子どもや保護者の方が多い印象でしたが、身の回りの話や、実際のワークを通して、「結び目」に興味を持ち始めた方が多くいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に上記の問題を皆で考えてみました。数学の世界の「同じ」と「違う」はイメージがしにくく、不思議そうにスライドを眺めていました。講師の中島さんと新庄さんがそれぞれの教室で、イメージをしやすいようにモールを配り実際に「同じ」か「違う」かを体験してみました。それぞれのスライドの左の形をモールでつくり、右の形になるようにクネクネ動かしていきます。すると、三葉結びから左のスライドのものにはなりますが、右のスライドのものにはいくら動かしてもなりません。自分で実際に体験することで納得した表情が見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各教室でワークを行い、最後は子どもと保護者を合わせて発表会を行いました。保護者の方は、恥ずかしそうに作品を見せていました。子どもは嬉しそうに作品を見せたり、ワークの内容を話したりしていました。同じ内容のワークをやったので話も弾んでいました。子どもの作品を見て「すごいね、私よりも上手」と驚いている保護者もいました。
ワークの内容が盛りだくさんだったので、まだまだ活動したそうな子どもも多く、ワークで使ったものを持ち帰りお家でもやろうとしている子どもも多くいました。
ワークが終わった後、「プレゼント!」と自分たちの作品をくれる子どももいて、短い時間ではありましたが、参加者と仲よくなりとても充実したワークショップになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前の部と午後の部の間に、座談会を行いました。中島さんを中心に前半は今村さん・桑島さん・浅見さんが登壇し、後半は新庄さん・嶽村さん・私が登壇しました。数学の楽しさや数学を使った仕事、数学教育についてなど参加者の方と語り合いながら楽しい時間を過ごしました。数学を活用した仕事についている方のお話を皆さん真剣に聞いていました。途中、参加者の方からの質問で「どのような数学教育をしていくべきか。」という質問に登壇者の方がそれぞれの思いを話していました。数学がもっと日常的に使われるようになり、数学を身近に感じることができるようになるとうれしいです。

今回のワークショップは新型コロナウイルスの影響で対面での開催は2年ぶりとなりました。参加者の方と直接話しながらワークショップはとても充実したものとなりました。できた作品をすぐに見せることができたり、分からないことをリアルタイムで聞いたりすることで数学の楽しさをその場で共有できるため、とても楽しい時間を過ごすことができたと思います。「結び目」と聞いても最初はなかなか聞きなれていなかったと思いますが、ワーク後には皆さんとても興味を示していました。また、石川県ならではの水引を紹介したことで、普段よく目にするものが数学と密接な関係があり不思議な感覚だったと思います。
数学は教えられるのでなく、自分で深く研究していくことで、本当の楽しさや興味がわくのだと思います。数学は日常生活の様々な場面で活躍しています。まずは、興味を持つことが大切だと今回のワークショップを通して感じました。今回は子どもと保護者を分けての開催だったため、ワークショップを終え、家庭での会話の話題にもなるのではないかと思います。
参加者の方はもちろんスタッフにとっても充実したワークショップになりました。

 

最後に
算数や数学は難しく硬いイメージを持つ方が多くいると思います。しかし、日常生活のいたるところに算数や数学が使われていて、思ったよりもずっと身近なものです。私は、算数・数学をもっと自由に楽しく触れ合えるようになってほしいと感じます。世の中にもっと算数や数学があふれ、皆さんがもっと手軽に扱うことができる世界になってほしいと思います。

 

※2023年2月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

著者略歴

秀明大学
矢島 奈月
2000年生まれ。長野県諏訪市出身。大学は千葉県で4年間過ごし、2023年4月より石川県の小学校教員に就職予定。
趣味は、旅行・食べること・友人と話すこと。たくさんのモノや人と関わることが大好きです。

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