key
Let's enjoy Mathematics

この文章を書いたのは?

奈良女子大学大学院 人間文化総合科学研究科 博士前期課程 
数物科学専攻 数学コース 修士2年

加納 鈴佳

『算数・数学フォト一覧』の紹介

 みなさん、こんにちは!初めて寄稿させていただきます、奈良女子大学大学院修士2年の加納鈴佳です。私は、もうすぐ大学院を修了し、春からは中学校で数学を教える予定です。今回は、私が大学の先生に教えてもらったポータルサイト『math connect』の中にある『算数・数学フォト一覧』について紹介したいと思います。

 

 『math connect』とは、教科書の出版をしている東京書籍が運営している、がんばる先生のための算数・数学ポータルサイトです。このサイトは、先生向けに板書の例や教材についてたくさん紹介されていますが、小中学生向けの『算数・数学フォト一覧』というコーナーもあります。ここでは、例えば富士山や橋、建物の特徴を図形に置き換えてみたり、水の流れや灯台の光、花火の大きさを計算で調べてみたり、みなさんが学校で習った算数や数学が身の回りに隠れていることをたくさん紹介してくれています。一覧のページには、記事ごとに「#小5」「#比例」など、学年や内容も書かれているので、最近習った単元に関連する記事から読むこともできます。また、日本各地の建物や自然について書かれていることが多いので、家の近くや旅行で近くに行った際は立ち寄って、実際に観察することも面白そうです。

 

 例えば、『見渡すかぎりのネモフィラ畑』という記事では、ネモフィラの花の数の調べ方について考えています。私も、場所は違いますが、大阪まいしまシーサイドパークで開かれていたネモフィラ祭りに行ったことがあります。ネモフィラ畑は遠くから見ると一面に青色が広がっていますが、近くで見ると、小さいネモフィラの花が一つずつ咲いていて、友達と「花を一つずつ植えて、育てるのは大変だろうね」と話したことを思い出しました。たくさんある花すべてを数えるのは大変ですが、一部の花の本数から全体の本数を予想する「標本調査」という方法を用いることで大体の数を調べることができます。花の数を調べるだけでは物足りないという人は、水道代など、育てるために必要な費用を調べてみたり、入場料を設定してみたりするのも面白いかもしれません。

 

学校で学ぶ教科としての算数・数学として問題集を解くだけではなく、学んだ図形の性質を身の回りで探してみたり、学んだ計算の仕方で身近な値やデータを求めてみたりと、生活の中で算数・数学に触れてみると、ぐんと身近なものに感じることができます。また、そこからさらに、他の分野に応用してみたり、繋ぎ合わせたりなど、自分なりのアイデアを加えていくことで、数学の世界がどんどん広がっていくかもしれません。

 

 

※2025年6月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

著者略歴

奈良女子大学大学院 人間文化総合科学研究科 博士前期課程 
数物科学専攻 数学コース 修士2年
加納 鈴佳
趣味:映画鑑賞、音楽ライブに行くこと、編み物など

SNS Share Button